2級土木施工管理技士 過去問
令和6年度（後期）
問22 (土木 問22)

誤りです。

適当です。

砂防堰堤は、安定した基礎の上に築かれることが重要です。

したがって、施工はまず、堰堤本体の基礎となる部分から着手するのが一般的です。

図の（ロ）本堰堤基礎部が最も下部に位置する本体の基礎となるため、最初に施工します。

次に、本堰堤の安定性を高めるために、下流側に設置される（ニ）副堰堤を施工します。

副堰堤は、本堰堤の基礎を保護し、下流側の河床洗掘を防ぐ役割を持っています。

これらの基礎部分が完成した後、堰堤の本体を安定させるための（ハ）側壁護岸と、堰堤下流側の洗掘を防止する（ホ）水叩きを施工します。

これらは同時に、あるいは並行して施工されることが一般的です。最後に、堰堤の最上部である（イ）本堰堤上部を施工して、堰堤全体を完成させます。

誤りです。

誤りです。

この順序では、最初に副堰堤を施工し、そのあとで本堰堤基礎部を施工することになります。
しかし、砂防堰堤の施工では、

・まず本堰堤基礎部をしっかりつくって、堰堤本体を支える地盤を整える

・その後で、本堰堤基礎部を守る役割をもつ副堰堤を施工する

という流れが基本です。

守るべき相手（本堰堤基礎）ができていないのに、先に「守る側」の副堰堤だけつくるのは不自然です。
したがって、この順序は適当ではありません。

この順序が一般的な施工順序と合います。

・（ロ）本堰堤基礎部
　砂礫層の中に掘り込み、本堰堤を支える一番大事な土台部分です。
　まずここを施工して、堰堤全体の安定を確保します。

・（ニ）副堰堤
　本堰堤の基礎地盤の洗掘や、下流側の河床低下を防ぐための構造物です。
　本堰堤基礎部を守る役目があるので、基礎部の施工に続けてつくります。

・（ハ）側壁護岸、（ホ）水叩き
　本堰堤を越流した水が落ちるときに、前庭部や側面を洗掘しないようにするための保護工です。
　どちらも前庭部や側壁を守る保護工なので、まとめて同じ段階で施工するのが合理的です。

・（イ）本堰堤上部
　本堰堤の上部（残りの堤体）です。
　基礎部、副堰堤、前庭・側壁の保護工が整い、基礎周りの安全が確保できたあとで、最後に上部を打設して堰堤を完成させます。

このように、「ロ（基礎）→ニ（副堰堤）→ハ・ホ（保護工）→イ（上部）」の流れは、構造的にも施工性の面でも自然な順序です。

ここでは、

1.副堰堤

2.本堰堤基礎部

3.本堰堤上部

4.側壁護岸・水叩き

の順になっています。

この順序だと、基礎部より先に副堰堤をつくる点が不適当なのに加えて、本堰堤上部を先に完成させ、そのあとで保護工（側壁護岸・水叩き）をつくることになります。

本堰堤上部ができている状態で洪水などが来ると、側壁護岸や水叩きが未完成のため、前庭部や側岸が洗掘されてしまうおそれがあります。
そのため、保護工（ハ・ホ）を最後に回すこの順序は望ましくありません。

この順序では、

1.本堰堤基礎部

2.本堰堤上部

3.側壁護岸・水叩き

4.副堰堤

となっています。

・副堰堤は、本堰堤基礎部や下流の河床を守る役割があるので、本堰堤本体が立ち上がる前までに施工しておくのが一般的です。

・本堰堤上部が先にできてしまうと、その間に洪水が来たとき、副堰堤がなくて基礎周りが洗掘される危険が高くなります。

そのため、副堰堤を一番最後に施工するこの順序は適切ではありません。