2級土木施工管理技士 過去問
令和6年度(後期)
問32 (土木 問32)
問題文
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問題
2級土木施工管理技士試験 令和6年度(後期) 問32(土木 問32) (訂正依頼・報告はこちら)
- 緩和曲線 ――― 車両の走行を円滑にするため直線と円曲線、又は二つの曲線間をゆるやかにつなぐ特殊な線形のこと
- カント ――― 車両が曲線を通過するときに遠心力により車両が外方に転倒することを防ぐために外側のレールを低くすること
- バラスト軌道 ――― 路盤の上にバラストを敷き、その上にマクラギに固定したレールを敷設した軌道のこと
- スラック ――― 曲線区間において車両が円滑に走行するために、曲線の軌間を内側に広げた拡大量のこと
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、鉄道の軌道における主要な用語について問うものです。
緩和曲線やカント、スラックといった用語は、車両が曲線をスムーズに通過するための重要な要素であり、それぞれの目的を正確に把握しておくことが重要です。
適当な記述です。
誤りです。
カントは、曲線区間で発生する遠心力に対抗するため、外側のレールを内側のレールよりも高く設置します。
適当な記述です。
適当な記述です。
この問題のポイントは、「カント」の定義を正確に理解しているかどうかです。
カントは、遠心力に対抗するために、曲線区間の「外側のレールを高く」するものです。
これに対し、スラックは「軌間を広げる」ものであり、それぞれの目的と方法を区別して覚えることが重要です。
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02
適当でないのは、カントの説明の文章です。
カントは、曲線で生じる遠心力によって車両が外側に倒れにくくするために、外側のレールを高くするものです。
選択肢では「外側のレールを低くする」となっており、内容が逆になっています。
ほかの3つ(緩和曲線・バラスト軌道・スラック)は、おおむね正しい説明になっています。
これは適当な説明です。
・線路が「直線→いきなりカーブ」になると、車両には急に遠心力が働くので、乗り心地が悪くなり、レールや車輪の負担も大きくなります。
・そこで、直線と円曲線の間に、曲率(カーブのきつさ)が少しずつ変化する曲線を入れます。これが緩和曲線です。
・また、「カーブとカーブのつなぎ」の部分でも同じ考え方で使われます。
説明文の「直線と円曲線、又は二つの曲線間をゆるやかにつなぐ特殊な線形」という表現は、この役割をうまく表しています。
これは適当でない説明です。
ポイントは「外側のレールを低くする」と書いてあるところです。
・曲線区間では、電車や列車には遠心力が働き、外側へ倒れようとする力が発生します。
・これを打ち消すために、線路はカーブの外側のレールを高く、内側のレールを低くして、少し傾けて敷きます。
・この外側レールの高さの差をカント(超高)と呼びます。
したがって、正しくは「外側のレールを高くすること」です。
選択肢は高低関係を逆に書いているので、適当でない説明になります。
これは適当な説明です。
・バラストとは、砕石などの小さな石のことです。
・通常の在来線などで多く使われる構造は、
1)路盤(地盤を整えた層)の上にバラストをまき、
2)その上にマクラギ(枕木)を置き、
3)マクラギにレールを固定する
という形になっています。
・このような構造の軌道をバラスト軌道と呼びます。
説明文の内容と一致しています。
これは適当な説明です(言い回しはやや分かりにくいですが、言っていることは合っています)。
・軌間とは、左右のレールの内側同士の間隔のことです。
・曲線区間では、車輪のフランジ(車輪の縁)がレール側面に当たりやすくなり、抵抗が増えて走りにくくなります。
・そこで、曲線部では軌間を標準より少し広げることがあります。この「広げた量」のことをスラック(軌間の余裕)と呼びます。
説明文の「曲線の軌間を…広げた拡大量」は、標準軌間から広げた分という意味で、スラックの考え方と一致しています。
今回のポイントは、鉄道の軌道に関する用語とその役割の対応です。
主な用語を整理すると、次のようになります。
緩和曲線:直線とカーブ(またはカーブ同士)をなめらかにつなぐ曲線
カント:曲線で外側レールを高くして線路を傾けることで、遠心力による転倒を防ぐための超高
バラスト軌道:路盤の上にバラスト→マクラギ→レールという一般的な軌道構造
スラック:曲線部で軌間を標準より広げた余裕量
特に、カント=外側レールを高くするものという点は、ひっかけになりやすいので、図とセットでしっかり覚えておくと安心です。
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