2級土木施工管理技士 過去問
令和7年度(後期)
問67 (鋼構造物塗装 問1)

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問題

2級土木施工管理技士試験 令和7年度(後期) 問67(鋼構造物塗装 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

鋼材の腐食に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 鉄は鉄鉱石(鉄の酸化物等)を精錬(還元)して作ったものであり、熱力学的には安定した状態である。
  • 鉄の湿食の腐食反応は、アノード反応とカソード反応が必ず等量で進行し、片方の反応が抑制されると他方の反応も抑制される。
  • 全面腐食は、一般に進行速度が遅く、腐食が生じ始めてから短時間で構造物に重大な悪影響を及ぼす状態となることは少ない。
  • 局部腐食は、金属表面の状態の不均一又は環境の不均一によって腐食が局部に集中して生じる現象である。

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この過去問の解説 (3件)

01

不適当なのは、「鉄は鉄鉱石を精錬(還元)して作ったものであり、熱力学的には安定した状態である。」という記述です。
鉄は鉄鉱石(酸化物)から取り出した金属なので、自然に放っておくと酸化物(さび)に戻ろうとする性質があり、熱力学的に安定とは言いにくいからです。

選択肢1. 鉄は鉄鉱石(鉄の酸化物等)を精錬(還元)して作ったものであり、熱力学的には安定した状態である。

不適当です。
鉄鉱石は鉄が酸化された姿で、自然界ではこちらの方が安定しやすい状態です。

そこからわざわざ還元して金属の鉄に戻しているため、金属の鉄はエネルギー的に高い位置にあります。
その結果、空気や水がある環境では、鉄は再び酸化物(さび)になろうとして腐食が進むので、「熱力学的に安定」とは言えません。

選択肢2. 鉄の湿食の腐食反応は、アノード反応とカソード反応が必ず等量で進行し、片方の反応が抑制されると他方の反応も抑制される。

適当です。
湿食(電気化学的な腐食)では、鉄が溶けるアノード反応で電子が出て、その電子を使うカソード反応が同時に起こります。
電子の出入りはつり合わないと反応が続けられないので、片方が止まりにくくなると、もう片方も進みにくくなります。

つまり、両方がセットで進むという説明は筋が通っています。

選択肢3. 全面腐食は、一般に進行速度が遅く、腐食が生じ始めてから短時間で構造物に重大な悪影響を及ぼす状態となることは少ない。

適当です。
全面腐食は、表面全体がだいたい同じように減っていく腐食です。

局部的に穴が開くよりも、厚さが少しずつ減る形になりやすいので、一般には急に致命的な状態になりにくいです。
また、減り方が比較的そろうため、残り厚さの見積もりもしやすい傾向があります。

選択肢4. 局部腐食は、金属表面の状態の不均一又は環境の不均一によって腐食が局部に集中して生じる現象である。

適当です。
局部腐食は、表面のキズ・成分の違い・すき間・水や酸素の偏りなどの不均一がきっかけで、一部だけが集中的に腐食する現象です。
平均的な減りは小さく見えても、局部に深く進むことがあるため注意が必要です。

まとめ

ポイントは、鉄が「鉄鉱石(酸化物)」から還元して作られている以上、自然に置けば酸化物に戻ろうとするということです。

つまり金属の鉄は、腐食しにくい意味での安定状態とは言えません。
一方、湿食の反応はアノードとカソードがセットで進み、全面腐食は比較的ゆっくり均一、局部腐食は不均一が原因で一部に集中という整理で覚えると、判断しやすくなります。

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02

鉄はサビた状態がデフォルト」と覚えるとスムーズです。

人間がエネルギーをかけて無理やりピカピカの鉄にしているだけなので、自然界ではサビた状態が最も安定しています。

湿食は電気回路のようなものです。

アノード(鉄が溶け出す場所)とカソード(酸素や水が反応する場所)のどちらかを絶縁(塗装など)すれば、回路が切れて腐食は進まなくなります。

選択肢1. 鉄は鉄鉱石(鉄の酸化物等)を精錬(還元)して作ったものであり、熱力学的には安定した状態である。

【誤】

精錬された鉄(鋼材)は、エネルギーを加えて無理やり酸化物から還元された状態にあります。

そのため、熱力学的には非常に不安定です。

鉄は放っておくと、より安定した状態である「酸化鉄」に戻ろうとします。

この「元の安定した状態に戻ろうとする反応」こそが腐食(サビ)の本質です。

選択肢2. 鉄の湿食の腐食反応は、アノード反応とカソード反応が必ず等量で進行し、片方の反応が抑制されると他方の反応も抑制される。

【正】

湿食(水が介在する腐食)は電気化学反応です。

アノード(酸化)とカソード(還元)は対になって起こるため、どちらか一方を遮断(塗装による絶縁など)すれば腐食は止まります。

 

アノード反応(酸化反応)

鉄が「鉄イオン」になって、水の中に溶け出していく反応です。

鉄が電子を放出し、鉄(II)イオンになります。

結果として鉄そのものが削られ、減肉します。

ここがいわゆる「腐食部」です。

 

カソード反応(還元反応)

アノードで放り出された電子を、表面にある水や酸素が受け取る反応です。

酸素と水が、鉄から流れてきた電子を受け取って水酸化物イオンになります。

選択肢3. 全面腐食は、一般に進行速度が遅く、腐食が生じ始めてから短時間で構造物に重大な悪影響を及ぼす状態となることは少ない。

【正】

表面が均一に削れていくため、厚みの減少を予測しやすく、局所的な貫通などが起きにくいため、突発的な事故につながるリスクは相対的に低いです。

選択肢4. 局部腐食は、金属表面の状態の不均一又は環境の不均一によって腐食が局部に集中して生じる現象である。

【正】

孔食や隙間腐食などは、見た目の損傷が小さくても深い場所まで一気に進行するため、構造物にとっては非常に危険な現象です。

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03

鉄の腐食に関する問題です。

酸化鉄は熱力学的には安定的な状態とされることに注意しましょう。

選択肢1. 鉄は鉄鉱石(鉄の酸化物等)を精錬(還元)して作ったものであり、熱力学的には安定した状態である。

適当な選択肢ではありません。

 

熱力学的には、酸化鉄が安定した状態、鉄が不安定な状態とされます。

鉄は酸素と結びつき安定しようとします。

選択肢2. 鉄の湿食の腐食反応は、アノード反応とカソード反応が必ず等量で進行し、片方の反応が抑制されると他方の反応も抑制される。

適当な選択肢です。

 

鉄が湿度の高い環境下にあった場合、負極(アノード)と正極(カソード)で腐食反応が進行します。

どちらかが抑制されればもう片方も抑制されます。

選択肢3. 全面腐食は、一般に進行速度が遅く、腐食が生じ始めてから短時間で構造物に重大な悪影響を及ぼす状態となることは少ない。

適当な選択肢です。

 

全面腐食は金属表面全体が均一に溶解・酸化する現象をいいます。

腐食の進行速度は遅いため、短時間で構造物に重大な悪影響を及ぼすとは考えにくいです。

選択肢4. 局部腐食は、金属表面の状態の不均一又は環境の不均一によって腐食が局部に集中して生じる現象である。

適当な選択肢です。

 

金属組成・組織が不均一である場合(溶接箇所など)、

不安定な箇所で集中的に腐食が生じる現象を局部腐食といいます。

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