2級土木施工管理技士 過去問
令和6年度(後期)
問4 (土木 問4)

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問題

2級土木施工管理技士試験 令和6年度(後期) 問4(土木 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

下図の逆T型断面の図形の図心Gについて、X軸からの高さhを求める次の式のうち、正しいものはどれか。
ただし、図形の密度及び厚さは均一なものとする。また、図形はイメージである。
問題文の画像
  • h=3a/2
  • h=2a
  • h=5a/2
  • h=3a

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この過去問の解説 (1件)

01

正しい式は、h=3aです。
逆T型断面を「下の大きな長方形」と「上の細長い長方形」の2つに分けて、それぞれの面積と図心の高さを使って合成することで、全体の図心の高さhを求めると3aになります。

選択肢1. h=3a/2

3a/2は、下の長方形だけを考えたときの図心の高さではありません。
図を整理すると、

 

・下の長方形(幅4a、高さ2a)は、x軸からa〜3aの位置にあります。
 →この長方形の図心の高さは
  a+2a/2=a+a=2a

 

・上の細い長方形(幅a、高さ4a)は、x軸から3a〜7aの位置にあります。
 →この長方形の図心の高さは
  3a+4a/2=3a+2a=5a

 

これら2つを合わせて全体の図心を求めるので、単純に3a/2にはなりません。

よって誤りです。

選択肢2. h=2a

これは、下の長方形だけの図心の高さです。
先ほど計算したとおり、下の長方形(幅4a、高さ2a)の図心はx軸から2aの位置にあります。

しかし実際には、その上に細い長方形(幅a、高さ4a)が重なっています。

上の部分にも面積があるので、全体の図心は2aよりも上に移動します。

したがって、h=2aでは足りません。

選択肢3. h=5a/2

5a/2は2.5aなので、2aと3aの間の高さです。
ここで、全体の図心の高さhを正しく計算してみます。

 

・下の長方形
 面積A₁=4a×2a=8a²
 図心高さy₁=2a

 

・上の長方形
 面積A₂=a×4a=4a²
 図心高さy₂=5a

 

・全体の面積
 A=A₁+A₂=8a²+4a²=12a²

 

・全体の図心の高さh
 h=(A₁y₁+A₂y₂)/A
 =(8a²×2a+4a²×5a)/12a²
 =(16a³+20a³)/12a²
 =36a³/12a²
 =3a

 

このように計算すると、5a/2ではなく3aになります。

したがって誤りです。

選択肢4. h=3a

これが正しい式です。
先ほどの計算のとおり、

 

・下の長方形:面積8a²、図心高さ2a
・上の長方形:面積4a²、図心高さ5a

を使って合成すると、

 

h=(8a²×2a+4a²×5a)/(8a²+4a²)
 =36a³/12a²
 =3a

 

となります。
図形全体の図心Gは、x軸から3aの高さの位置にあることになります。

まとめ

・逆T型断面の図心を求めるときは、「いくつかの長方形に分けて考える」のがポイントです。


・それぞれの長方形について
 1)面積
 2)図心の高さ(ここではx軸からの距離)
 を求め、
 h=(∑面積×図心高さ)/(∑面積)
 の形で計算します。

 

この問題では、下の幅4a・高さ2aの長方形と、上の幅a・高さ4aの長方形に分けて計算すると、図心Gの高さはh=3aになることがわかります。

こうした「分けてからまとめる」考え方は、他の複合断面の図心計算でもよく使うので、合わせて覚えておくと役に立ちます。

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