2級土木施工管理技士 過去問
令和7年度(後期)
問74 (鋼構造物塗装 問8)

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問題

2級土木施工管理技士試験 令和7年度(後期) 問74(鋼構造物塗装 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

防食下地に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
  • 防食下地は、鋼材よりも貴な電位を持つ亜鉛等の犠牲防食作用によって鋼材の腐食を防ぎ、鋼材面と密着し鋼材の腐食反応を抑制するため厚膜に塗付できることが必要である。
  • 無機ジンクリッチペイントは、亜鉛の犠牲防食作用による強い防錆力を有し、塗膜厚が大きいほど防錆効果の持続期間は長くなるが、塗膜が厚過ぎると塗膜が割れたり剥がれたりする。
  • 無機ジンクリッチペイントは、空気中の水分によって付加重合反応して硬化するため、相対湿度が50%以下の場合には塗付作業は行わない。
  • 有機ジンクリッチペイントは、錆や塗膜とは密着しないので、ブラスト処理した鋼材面の上に塗付しなければならず、塗替え塗装に適用するのは難しい。

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この過去問の解説 (1件)

01

適当なのは、「無機ジンクリッチペイントは、亜鉛の犠牲防食作用による強い防錆力を有し、塗膜厚が大きいほど防錆効果の持続期間は長くなるが、塗膜が厚過ぎると塗膜が割れたり剥がれたりする」という記述です。
無機ジンクリッチは亜鉛の犠牲防食で強い防錆力を持ちますが、厚塗りし過ぎると割れ・はがれが起きやすいことが知られています。

選択肢1. 防食下地は、鋼材よりも貴な電位を持つ亜鉛等の犠牲防食作用によって鋼材の腐食を防ぎ、鋼材面と密着し鋼材の腐食反応を抑制するため厚膜に塗付できることが必要である。

この内容は不適切です。
亜鉛は鋼に対してではなく、一般に卑(先に溶けやすい)側なので、亜鉛が先に溶けて鋼を守るのが犠牲防食です。 
また、防食下地を「厚膜に塗れることが必要」と言い切るのも不自然です。

ジンクリッチは厚塗りし過ぎると割れ・はがれにつながるため、適正な膜厚管理が重要です。

選択肢2. 無機ジンクリッチペイントは、亜鉛の犠牲防食作用による強い防錆力を有し、塗膜厚が大きいほど防錆効果の持続期間は長くなるが、塗膜が厚過ぎると塗膜が割れたり剥がれたりする。

この内容は適当です。
無機ジンクリッチは亜鉛末を多く含み、犠牲防食で鋼を守るタイプです。 
膜厚は、ある程度確保できるほど防錆の持続性が期待できますが、厚くし過ぎると塗膜内部の収縮や応力などでクラック(割れ)や付着低下(はがれ)が起こり得ます。

選択肢3. 無機ジンクリッチペイントは、空気中の水分によって付加重合反応して硬化するため、相対湿度が50%以下の場合には塗付作業は行わない。

水分の影響を受ける点は方向性として近いのですが、表現が不適切です。
無機ジンクリッチ(アルキルシリケート系)は、空気中の水分を取り込みながら加水分解→重合(縮合)のような仕組みで硬化していきます。 
そのため「付加重合反応」という言い方は不適切です。

さらに、湿度条件は塗料や仕様で決まるため、数値を一律に断定するより製品の施工条件に従うのが基本です(相対湿度の下限値として50%が示される例はあります)。

選択肢4. 有機ジンクリッチペイントは、錆や塗膜とは密着しないので、ブラスト処理した鋼材面の上に塗付しなければならず、塗替え塗装に適用するのは難しい。

この内容は不適切です。
有機ジンクリッチ(エポキシ系など)は、無機系に比べて作業性がよく、密着性がよいとされるタイプです。
実務資料でも、塗替えの場面で鋼材露出部に有機ジンクリッチを使う例が示されており、「塗替えに適用が難しい」と言い切るのは無理があります。

まとめ

防食下地で大事なのは次の整理です。

 

・亜鉛は鋼よりなので、先に溶けて鋼を守るのが犠牲防食です。 

・無機ジンクリッチは防錆力が強い一方、厚塗りし過ぎると割れ・はがれが起きやすいため、膜厚管理が重要です。 

・無機ジンクリッチの硬化は水分が関係しますが、反応の説明や湿度条件の断定には注意が必要で、基本は仕様書・製品条件に従うことです。 

・有機ジンクリッチは密着性や作業性の面で扱いやすく、塗替えで使われる場面もあります。

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