2級土木施工管理技士 過去問
令和7年度(後期)
問119 (薬液注入 問6)

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問題

2級土木施工管理技士試験 令和7年度(後期) 問119(薬液注入 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

シールド工法において発進部等の地山の安定を図る対策の補助工法に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
  • 凍結工法は、地下水があれば適用地盤に制約が少なく、また地盤沈下等の周辺地盤への影響もない。
  • 高圧噴射攪拌工法は、薬液注入工法に比べ均質な改良体の造成が可能であるが、適用地盤の制約が多いという特徴がある。
  • 仮壁切削工法は、仮壁を設置しシールドで直接切削する工法で、発進又は到達のために薬液注入等の補助工法を最小限にすることができる。
  • 薬液注入工法は、地山の間隙や割れ目に注入材を浸透させ、土の骨格を乱すことにより間隙を閉塞して止水性を高めるものであり、強度の増加が期待できる。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、シールド工法の発進部・到達部で使う代表的な補助工法の特徴の違いを見抜く問題です。
見分けるポイントは次の4つです。

 

凍結工法:適用範囲は比較的広いが、凍結膨張や解凍沈下など周辺地盤への影響に注意が必要

高圧噴射攪拌工法比較的均質な改良体を作りやすいが、地盤条件による制約がある

仮壁切削工法:仮壁をシールドで直接切削し、薬液注入などの補助工法を減らせる

薬液注入工法:土の間隙や割れ目に注入材を浸透・充填させ、止水性向上と強度増加を図る工法

選択肢1. 凍結工法は、地下水があれば適用地盤に制約が少なく、また地盤沈下等の周辺地盤への影響もない。

【不適当】

凍結工法は、地盤中の間隙水を凍結させて一時的に固結・止水させる工法ですが、凍結時には凍上や凍結膨張圧、解凍時には沈下や収縮が生じうるため、周辺地盤への影響に注意が必要です。

選択肢2. 高圧噴射攪拌工法は、薬液注入工法に比べ均質な改良体の造成が可能であるが、適用地盤の制約が多いという特徴がある。

【不適当】

高圧噴射攪拌工法とは超高圧のジェットで土を壊しながらセメント系硬化材を混ぜ合わせ、強固な改良体を作る工法です。

この工法は、土の種類(砂、粘土、礫など)を問わず、幅広い地盤に適用できるのが大きな特徴です。

また、機械的に攪拌するため、薬液注入よりも均質で強度の高い改良体を作ることができます。

 

「適用地盤の制約が多い」という記述が実態と逆であるため、記述は不適当です。

選択肢3. 仮壁切削工法は、仮壁を設置しシールドで直接切削する工法で、発進又は到達のために薬液注入等の補助工法を最小限にすることができる。

【適当】

仮壁切削工法は、発進・到達部に設けた仮壁をシールド機で直接切削して進出・到達する方法で、発進口や到達口の地山安定対策として実施される薬液注入などの補助工法を最小限にできるのが特徴です。

選択肢4. 薬液注入工法は、地山の間隙や割れ目に注入材を浸透させ、土の骨格を乱すことにより間隙を閉塞して止水性を高めるものであり、強度の増加が期待できる。

【不適当】

薬液注入工法の基本は、注入材を地盤中に圧入し、土粒子間の間隙や割れ目を充填・浸透させることで、止水性向上や強度増加を図ることです。

したがって、問題文の「土の骨格を乱すことにより」が不適切です。

 

正しくは、土の骨格を乱すのではなく、骨格を保ちながら間隙や亀裂を薬液で満たして固結・止水する方向の工法です。

まとめ

この問題は、各補助工法の特徴を整理できれば解けます。

 

凍結工法

周辺地盤への影響がないわけではない

 

高圧噴射攪拌工法

均質な改良体を作りやすい

 

仮壁切削工法

補助工法を最小限にできる

 

薬液注入工法

土の骨格を乱すのではなく、間隙・割れ目を充填して止水性や強度を高める

参考になった数7

02

適当なのは、「仮壁切削工法は、仮壁を設置しシールドで直接切削する工法で、発進又は到達のために薬液注入等の補助工法を最小限にすることができる。」です。
発進部や到達部では、地山を固めたり止水したりする補助工法を使うことがありますが、仮壁を先につくっておき、シールドでその仮壁を直接切って進む方法なら、薬液注入などの量を減らせます。

選択肢1. 凍結工法は、地下水があれば適用地盤に制約が少なく、また地盤沈下等の周辺地盤への影響もない。

凍結工法は、土の中の水を凍らせて土を一体化させ、止水性と強度を上げる方法です。
ただし、周辺地盤への影響がないとはいえません。

凍ると土が膨らむ(凍上)ことがあり、解けると沈む(融解沈下)こともあります。

また、地下水の流れが速いと凍りにくく、対策が必要になります。

選択肢2. 高圧噴射攪拌工法は、薬液注入工法に比べ均質な改良体の造成が可能であるが、適用地盤の制約が多いという特徴がある。

高圧噴射攪拌工法(ジェットグラウト)は、高い圧力で土を崩しながら固化材と混ぜて柱状などの改良体をつくる方法です。
薬液注入より比較的いろいろな地盤に使えることが多く、「適用地盤の制約が多い」という言い方は合いにくいです(大きな玉石が多い地盤などでは施工しにくい場合はあります)。

選択肢3. 仮壁切削工法は、仮壁を設置しシールドで直接切削する工法で、発進又は到達のために薬液注入等の補助工法を最小限にすることができる。

この記述は適当です。
発進立坑や到達立坑の前面に仮壁(例えば鋼製の仮壁など)を設けておき、シールドがそこを直接切って通過します。
この方法だと、発進・到達のための薬液注入や凍結などの範囲を小さくできる場合があり、補助工法を減らしやすいです。

選択肢4. 薬液注入工法は、地山の間隙や割れ目に注入材を浸透させ、土の骨格を乱すことにより間隙を閉塞して止水性を高めるものであり、強度の増加が期待できる。

薬液注入工法は、土のすき間に注入材を入れてすき間を埋めたり固めたりして止水性を高める方法です。
ポイントは、ふつうは土の骨格を大きく乱さないで浸み込ませることをねらいます。

「骨格を乱す」という説明は合いません。

強度が上がることはありますが、地盤条件や注入材によって効果が変わります。

まとめ

・発進部・到達部では、止水と地山の安定が重要です。

・凍結工法は強力ですが、凍上や融解沈下などの影響が出ることがあります。

・高圧噴射攪拌工法は、薬液注入より幅広い地盤で改良体をつくりやすいのが特徴です。

仮壁切削工法は、仮壁をつくってシールドで直接切るので、薬液注入などの補助工法を小さくできる点がポイントです。

参考になった数4

03

この問題は、シールド工法の発進部・到達部における坑口の安定や止水を目的とした「補助工法」の特性についての知識を問う内容です。

選択肢1. 凍結工法は、地下水があれば適用地盤に制約が少なく、また地盤沈下等の周辺地盤への影響もない。

間違っています。

 凍結工法は、地盤中の水分を凍らせて強力な凍土壁をつくるため、土質を選ばず確実な止水・補強ができます。

しかし、水が氷になると体積が膨張するため、周囲の地盤が隆起したり、工事が終わって氷が溶けたあとに地盤沈下を起こしたりするリスクがあり、周辺環境への影響配慮が必要です。

選択肢2. 高圧噴射攪拌工法は、薬液注入工法に比べ均質な改良体の造成が可能であるが、適用地盤の制約が多いという特徴がある。

間違っています。

高圧噴射攪拌工法は、超高圧の噴射流によって土組織を破壊しながらセメント系硬化材と強制的に攪拌・混合するため、砂質土から粘性土、礫質土に至るまで適用できる地盤の範囲が非常に広いという特徴を持っています。

選択肢3. 仮壁切削工法は、仮壁を設置しシールドで直接切削する工法で、発進又は到達のために薬液注入等の補助工法を最小限にすることができる。

適当です。

これは、シールドマシンのカッターで直接削ることができる特殊なコンクリートで立坑の壁を作っておき、マシンのカッターで直接くり抜いて発進・到達させる工法です。

立坑の外側で行う大規模な薬液注入や地盤改良などの補助工法を最小限に抑えることができます。

選択肢4. 薬液注入工法は、地山の間隙や割れ目に注入材を浸透させ、土の骨格を乱すことにより間隙を閉塞して止水性を高めるものであり、強度の増加が期待できる。

間違っています。

薬液注入工法(浸透注入)は、土粒子の隙間に薬液を染み込ませて固める工法です。

そのため、土の骨格を乱さずに間隙を閉塞して止水性を高め、強度を増加させるのが基本原則です。

土の構造を破壊して混ぜ合わせる工法とは区別する必要があります。

まとめ

シールド発進・到達部の主な補助工法の特徴まとめです。

 

仮壁切削工法

壁をマシンで直に削る。

外部の地盤改良(薬液注入など)を最小限にできる

 

薬液注入工法

土の骨格を乱さずに隙間に浸透させ、止水と強度を高める。

 

高圧噴射攪拌工法

適用地盤の制約が少なく、均質な改良体を作れる。

 

凍結工法

確実だが、凍上や融解沈下といった周辺地盤への影響がある。

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