2級土木施工管理技士 過去問
令和7年度(後期)
問120 (薬液注入 問7)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

2級土木施工管理技士試験 令和7年度(後期) 問120(薬液注入 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

水道、ガス等の地下埋設物により生じた土留め(鋼矢板)の欠損部を防護するための薬液注入に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
  • 地盤に礫が混入しているときは、ジェットによる削孔方法が取れないことがあるので、更に慎重に埋設管の位置を確認し、注意しながら削孔作業を進める。
  • 既設埋設管の損傷を防ぐ方法として、管が埋設されている深度では、ジェットを使わずにロータリーで削孔する方法がある。
  • 薬液注入効果が確実に期待できる場合は、掘削中に欠損部には矢板を設置せず、改良体をむき出しで掘削を行うことができる。
  • 薬液注入箇所において、注入孔が埋設管等により鉛直方向に確保できない場合は、必ず注入孔を鉛直に削孔できる位置に変更する。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

適当なのは、「地盤に礫(れき)が混じっていると、ジェットによる削孔ができないことがあるので、埋設管の位置をより慎重に確認しながら削孔する」です。
埋設管の近くで薬液注入のための孔をあけるときは、孔あけの方法によって埋設管を傷つける危険が変わります。

特に、地盤条件(礫の有無)で使える工法が変わるため、埋設管の位置確認を一段と丁寧にして作業するという内容が重要になります。

選択肢1. 地盤に礫が混入しているときは、ジェットによる削孔方法が取れないことがあるので、更に慎重に埋設管の位置を確認し、注意しながら削孔作業を進める。

ジェット削孔は、水の力などで地盤を崩しながら孔をつくる方法ですが、礫が多い地盤ではうまく孔がつくれないことがあります。
その場合、別の削孔方法を選ぶ必要が出てきて、埋設管に近い場所では埋設管を傷つけるリスクが上がりやすいです。

だからこそ、図面だけに頼らず位置を慎重に確認し、注意して削孔するという考え方は適切です。

選択肢2. 既設埋設管の損傷を防ぐ方法として、管が埋設されている深度では、ジェットを使わずにロータリーで削孔する方法がある。

ロータリー削孔は刃(ビット)で削って進むため、位置を少しでも読み違えると埋設管に当てて損傷させる危険があります。
「損傷を防ぐ方法」として一般化するには無理があり、状況によっては逆に危険になり得るため、この記述は誤りです。

選択肢3. 薬液注入効果が確実に期待できる場合は、掘削中に欠損部には矢板を設置せず、改良体をむき出しで掘削を行うことができる。

薬液注入でできる改良体は、あくまで土を固めたり水を止めたりする補助です。

掘削中は、地山のゆるみや水圧、振動などで状態が変わりやすく、改良体をそのまま露出させて掘るのはリスクが残ります。
「確実に期待できるなら、むき出しでよい」と言い切るのは危険側に寄りやすく、適当とは言いにくい内容です。

選択肢4. 薬液注入箇所において、注入孔が埋設管等により鉛直方向に確保できない場合は、必ず注入孔を鉛直に削孔できる位置に変更する。

埋設管があると、狙った位置に鉛直で孔をあけられないことがあります。

そのときの対応は、現場条件により、位置をずらす以外の工夫(孔の配置調整など)をする場合もあります。
必ず変更する」と決めつけると、必要な範囲を十分に改良できない配置になることもあり得るため、断定が強すぎます。

まとめ

この問題のポイントは、埋設管がある場所で薬液注入を行うとき、削孔方法と地盤条件(礫の有無)で危険度が変わることです。
特に礫があるとジェット削孔が難しくなる場合があり、そのときは別の方法を選ぶ必要が出てきます。

だからこそ、作業前に埋設管の位置をより慎重に確認し、注意して削孔するという考え方が大事になります。

参考になった数5

02

土留め壁(鋼矢板)を設置する際、水道管やガス管などの埋設物があると、そこだけ矢板を打てずに「欠損部」が生じます。

その隙間を埋めるための補助工法(薬液注入)に関する実務的な問題です。

最も重要な視点は「いかに既設の埋設物を損傷させずに、安全かつ確実に土留め欠損部の防護を行うか」という点にあります。

この大原則を念頭に置くことで、各選択肢の正誤が判断しやすくなります。

選択肢1. 地盤に礫が混入しているときは、ジェットによる削孔方法が取れないことがあるので、更に慎重に埋設管の位置を確認し、注意しながら削孔作業を進める。

【適当】

ジェット(水圧)による削孔は埋設管を傷つけにくい安全な方法ですが、地盤に礫が含まれていると削孔できない場合があります。

その際、やむを得ずロータリー式などの機械的削孔を行うことになりますが、刃先で管を破損するリスクが高まります。

そのため、事前の埋設管の位置確認をより入念に行い、細心の注意を払って慎重に作業を進めることが実務上不可欠となります。

選択肢2. 既設埋設管の損傷を防ぐ方法として、管が埋設されている深度では、ジェットを使わずにロータリーで削孔する方法がある。

【不適当】

既設埋設管の損傷を防ぐためには、物理的に地盤を削り取るロータリー式は避け、水圧で土を退ける「ジェット削孔」を用いるのが基本です。

設問の「ジェットを使わずにロータリーで削孔する」という手法では、埋設物を破壊してしまう危険性が極めて高くなるため不適当です。

選択肢3. 薬液注入効果が確実に期待できる場合は、掘削中に欠損部には矢板を設置せず、改良体をむき出しで掘削を行うことができる。

【不適当】

薬液注入による地盤改良の主な目的は「止水」や「土砂の自立性の向上」であり、周囲からの土圧や水圧に単独で耐え得る構造材としての強度は期待できません。

そのため、改良効果があったとしても、掘削時には欠損部に横矢板などを設置して土砂の崩壊を物理的に防ぐ必要があります。

改良体をむき出しのまま掘削を行うのは極めて危険です。

選択肢4. 薬液注入箇所において、注入孔が埋設管等により鉛直方向に確保できない場合は、必ず注入孔を鉛直に削孔できる位置に変更する。

【不適当】

埋設管などの障害物により真上から鉛直に注入孔を確保できない場合は、削孔機を少し離れた位置に据え付け、目標とする改良範囲に向かって斜めに削り進める「斜め削孔(斜め打ち)」を行うのが一般的です。

設問のように「必ず鉛直に削孔できる位置に変更する」という限定的な対応しか取れないわけではないため、不適当となります。

まとめ

地下埋設物周辺の薬液注入工に関する重要なポイントは以下の3点に集約されます。

 

①削孔方法の選択と注意点

埋設物付近では水圧を利用する「ジェット削孔」が基本ですが、礫(れき)などにより削孔できない場合は、やむを得ず「ロータリー削孔」等の機械的削孔を用います。

その際は管を破損するリスクが高まるため、より慎重な位置確認と作業が求められます。

 

②改良体の役割

薬液注入による改良体は、あくまで「止水」や「土砂の崩壊防止(自立性の向上)」が目的です。

土圧に耐える構造材としての強度はないため、掘削時は必ず矢板などを設置して物理的に防護する必要があります。

 

③削孔位置の柔軟性

障害物がある場合は、無理に鉛直に削孔するのではなく、斜め方向から目標地点を狙う「斜め削孔」を行うのが実務上の基本です。

参考になった数1